研究紹介
看護専門職のプロフェッショナル教育方法の開発
救急看護の看護師の離職予防の研究や、大学院生の研究支援を通して組織管理の研究に関わってきました。教育では、看護学生と医学生の合同授業、合同実習に関わりました(他大学)。現在はそれらの経験を土台に看護専門職のプロフェッショナリズム教育に関心をもち、いろいろな観点から研究をすすめています。まだ道半ばです。
1.学生と熟練看護師の観察時の視線移動のちがい
視線情報は観察行動の要となる情報です。視線移動は思考プロセスを反映することがすでに示されています。看護学生と熟練看護師で視線移動のちがいをさまざまな場面を使って調査し、実践教育にいかそうと考えています。
熟練(15秒)
学生(15秒)
静止画像を観察時の視線移動
2.省察的実践をもとにしたプロフェッショナリズム教育
大学生を対象として3年間継続してメタ認知を測定したところ、自らを振り返り省察的にモニタリングする「モニタリング」の要素が一番低い値という結果を得ました。今日の実践の世界は、複雑で、不確実で、価値の葛藤があり、解がただちに見いだせる状況ではありません。ショーンの「省察的実践」は専門職の養成の土台となる概念として近代以降に示されました。この「省察する」をヒントに看護プロフェッショナルな人材育成の在り方を模索・検討しています。